腸内には、100種類以上、約100兆個もの腸内菌がすみついています。その腸内菌がびっしりと腸内に壁面を作って生息している様相が、まるで植物が群れている花畑の様子にたとえられ「腸内フローラ」と呼ばれています。
腸内フローラの状態は生活習慣や年齢、ストレスなどによっても変化します。いい腸内環境の理想的な状態とされるのは(善玉菌2割：悪玉菌1割：日和見菌7割)。日和見菌は善玉菌・悪玉菌の優勢な方に同調(味方)して作用します。健康な人の腸内では、善玉菌が悪玉菌を抑える形で腸内フローラが一定のバランスが維持されていますが、逆に悪玉菌が優勢になってしまうと免疫力が低下するため、さまざまな病気にかかりやすくなります。この腸内フローラですが、老年期の代表であるビフィズス菌 が減少し、悪玉菌が増えていくのです。老化とともに崩れる腸のバランスですが、食生活や生活習慣で改善が可能です。食物繊維やオリゴ糖を多く含む食べ物を摂ることや、サプリメントなどで乳酸菌を取り込むことです。

いくつになっても理想的な「腸内フローラ」を保ち続けることが健康を支えているのです。

では、悪玉菌が優勢になるとなぜ人体に悪い影響を与えるのでしょうか？
実は、腸は腸管免疫と言われるほど免疫の機能が大きく、体で最大の免疫系といわれています。その働きに大きな影響を与えるのが腸内細菌で、悪玉菌が増殖することでその環境が壊れ「免疫力が低下」し、感染症のリスクが高まるのです。体の老化が進行し腸内環境が悪くなると、肌の荒れやしみ、たるみといった症状を引き起こしますし、ダルさが抜けず疲れやすくなり、代謝が落ちて太りやすくもなります。
さらに、便秘がひどくなると、おならや便が臭くなるということは皆さんご存知かと思いますが、実は体臭や口臭もきつくなってしまうことがわかっています。

健康の基礎は腸が知っているのです。